日本

    • 怪談

      2021-05-19 15:09

      ジャパニーズ・フォーク・ホラー作品として名高い小林正樹『怪談(Kwaidan)』。抽象度を高めて魔術的なムードを醸し出す書き割りなどのとんでもなく完成度の高い美術(『愛のコリーダ』や『戦メリ』を手掛けた戸田重昌)や、武満徹の雅楽を援用した劇伴をより引き立てる静寂、など、無思考で浴...

    • すばらしき世界

      2021-05-11 14:18

      出所祝いに食べさせてもらったすき焼き。アパートを借りて再出発初日の白飯に落とした生卵。そんな豊かな食事が、乱れる心の中で徐々に荒んでくる。仲野大賀演じる放送作家に説教された苛立ちを、台所で食うカップ麺にぶつける時、その食事の光景は大きな背中の影に隠れて観客にすら見えない。思うに、...

    • VIDEOPHOBIA

      2020-12-30 09:18

      モノクロームの映像が醸し出す不穏さ。濃淡に圧縮された視覚情報が、可能な奥行きを綴じ込んでいく。遠くまで見通せているはずなのに手探りのような、「謎」そのものの中でもがく主人公の狂騒が、観ている僕らにも伝播してしまったかのよう。「見る者」と「見られる者」についての考察がつづら折りにな...

    • こおろぎ

      2020-06-03 08:23

      鈴木清順『ツィゴイネルワイゼン』を観たときのような、「最終的に何を言いたいのか全くわからないが、とにかくすごい映画だ」という感想を抱いてしまった青山真治監督の2006年作。盲人(山崎努)と、共に暮す女性(鈴木京香)の関係性を中心にして、物語は展開していく。この二人の「生活」が、ど...

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