horror

  • 『このテープもってないですか?』

    2023-01-03 17:28

    大森時生さん(『Raiken Nippon Hair』『Aマッソのがんばれ奥様ッソ!』)関連の新作ってことで大期待して鑑賞。めちゃくちゃ面白い。面白いけど、全く解らない。いや、解る必要はない、必要なのは理解ではなく、体験。ただただ不気味な30分×三夜。事前知識はなければないだけ楽...

  • Netflix『呪詛』/収奪された記憶を巡る抵抗の記録【ネタバレ考察】

    2022-08-06 04:02

    6〜7年ぐらい前、沖縄の小さな離島で、観光地からちょっと離れたところにある小路を進んだところ、不思議な空間に入り込んでしまったことがある。不揃いな石が数個ずつまとめられた「塔」が、ぐるり並べられていたその光景に、誰かが(俺かもしれない)「入ってはダメな予感がする…」と呟くと、皆同...

  • マリグナント 狂暴な悪夢

    2021-11-18 16:13

    肉塊だったんだよな、俺達。巻き戻しボタンを押したかのような雑さで、ケレン味たっぷりに無理矢理物語をたたみにかかる頃には、俺たちもうすっかり呆けていて喝采をあげる。肉塊だもの、俺たち。指の先まで神経が張り巡らされ、複雑な脳髄を持ちながら、やっぱり臓器の入れ物なんだ私達は、とあらぬと...

  • アオラレ

    2021-06-12 23:21

    あの太り方はいよいよPoint of No Return…。でっぷりと太ったラッセル・クロウが、ひたすら母子を追い詰めまくる恐怖映画。ラッセル・クロウ版『激突』かと思ったら、マイケル・ダグラス主演『フォーリング・ダウン』などと近い「イラつき不寛容な現代社会」をテーマにした、その実...

  • 怪談

    2021-05-19 15:09

    ジャパニーズ・フォーク・ホラー作品として名高い小林正樹『怪談(Kwaidan)』。抽象度を高めて魔術的なムードを醸し出す書き割りなどのとんでもなく完成度の高い美術(『愛のコリーダ』や『戦メリ』を手掛けた戸田重昌)や、武満徹の雅楽を援用した劇伴をより引き立てる静寂、など、無思考で浴...

  • House of Seven Belles

    2021-05-17 16:01

    『COUCHONS vol.2 - Andy Milligan』で特集されていた「トラッシュホラー界の異端児」アンディ・ミリガン監督作『House of Seven Belles』が、ニコラス・ウィンディング・レフンのbyNWRによって発掘され、MUBIで配信されていたので観た。...

  • クリープ

    2021-05-09 16:45

    「ビデオ撮影してくれる人を募集中。1日につき1000ドルを払います」という求人に応募したアーロンが、雇い主の奇行に振り回されるホラー映画。マーク・デュプラスは完全にコメディの脚本もらって演技してたんじゃないかと思うような怪演。77分とタイトな中に、シンプルなアイディアをまとめた佳...

  • ゼム

    2021-04-17 17:44

    ある悲劇の記憶から逃げるように、心機一転コンプトンに引っ越してくる娘二人の黒人一家。彼女らが直ちに直面する、近隣住人からの差別、職場での差別、学校での差別、とあらゆる角度からの差別と闘ううちに、その家族は、土地とそしてそこに住む人々にまつわる恐ろしい怪異に気づいていくことになる。...

  • 鉛筆画のテクスチャーで構築されたホラーゲーム『Mundaun』

    2020-08-25 06:48

    スイスのゲームスタジオ「Hidden Fields」が2021年にリリース予定のホラーゲーム『Mundaun』。全編鉛筆で描かれたテクスチャーが圧倒的に異様な雰囲気を放っていて、超気になる。「祖父が謎の火災で亡くなったことを知った主人公が、その死の背後に隠された秘密を解き明かすた...

  • マーダー・ミー・モンスター

    2020-08-24 03:21

    南米アルゼンチンはアンデス山脈を望む村で、首のない遺体が発見された。捜査にあたった主人公クルスの不倫相手フランシスカも同じような手口で殺害され、彼女の夫ダビドが逮捕される。女性を狙ったごくありきたりな猟奇殺人ものとして幕を開ける本作は、仄めかしに次ぐ仄めかしが展開する難解な大仄め...

  • キル・リスト

    2020-08-12 16:45

    フォークホラー文脈でかなりの頻度で評判を目にする作品なのに配信すらされていないのだが、DVD購入して観た。仕事するのが厭になって8ヶ月もぶらぶらしてた元軍人の主人公が、相棒に促されて殺しの仕事を再開する…というシノプシスからは全く予期せぬ事態に発展していくので、「フォークホラー」...

  • ミッドサマー

    2020-06-19 03:20

    強烈なトラウマを経験し、何かに依存して生きざるを得なかった人間が、圧倒的なカルチャーショックの末、遂に主体性を取り戻す物語…と書くと、まるでホラー映画のストーリーとは思えないのだ。『へレディタリー』アリ・アスター監督の長編第二作目。エンドロールが終わると、初日満員の客席が異様な空...