literature

  • NOVEL 11, BOOK 18

    2022-02-19 12:00

    「この世で最も素晴らしい幸福とは短い幸福である」。主人公ビョーン・ハンセンの「客観」はそう宣言して、その「短い幸福」の行き先を見届けることになる。ノルウェーの作家ソールスターによって書かれた11番目の小説、18番目の書籍。研究施設みたいに無機質なラベリング。ビョーン・ハンセンは、...

  • アンドロメダ病原体

    2022-02-16 15:22

    マイケル・クライトンによる1969年のSF小説。スピルバーグ版『ジュラシック・パーク』のやり方に不満を持っている人間としては、原作『ジュラシック・パーク』の「科学ミステリー」とも言える独特の仕掛けが大いに堪能できる本作にはよだれダラダラ。ダンウィッチホラー風味の序盤から一点、「象...

  • くっすん大黒

    2022-02-16 13:19

    2021年の末から急に町田康にハマって、更に言うと2021年の頭ぐらいに初めてしっかりINU『メシ喰うな』を聴いたので、俺にとっては2021年は町田康の年だった。立て続けに4冊ぐらい読んだところで、我が人生において「町田康を読み尽くしてしまう哀しさ」みたいなものが耐えられなく思っ...

  • ブリーディング・エッジ

    2021-09-07 15:31

    内容については、俺達の導き手こと佐藤良明さんが詳細に書いてくださっているのでそれを読んでくれ。つうか、原書で読んでいる人は、この丁寧な訳注なしにどうやって読むんだろう…と思ってしまうほどの衒学的な情報量。NYの街並みや暮らしが細かく描かれているのはご本人がお住まいらしいのでまあ良...

  • ケン・リュウ『宇宙の春』

    2021-05-12 13:54

    テッド・チャンと並んで、中華系のSFの旗手としてすっかり定着したケン・リュウ。新作短編集(と言っても、過去作で邦訳から漏れていたもの中心だけど)も、相変わらずのキレだった。テッド・チャンより執筆量も旺盛だし、今度『円弧(アーク)』も映画化されるとのことで、ますます読まれると良いな...

  • 供述によるとペレイラは…

    2021-04-27 04:25

    新聞社で報道に携わっていながら、世間とは距離を取り続けて生きている一人の平凡な初老男性に訪れる、ささやかかつ決定的な変化。作中では「別のエゴに主導権を握る」と描かれたこの変化は、表面的には英雄的な所業に見えるけれども、そこまで多くもない文字数の中で重層的に描かれる彼の心のうちに、...

  • ルシア・ベルリン『掃除婦のための手引書』の映画化をアルモドバルが企画中

    2021-04-19 04:52

    って、表題の「次回作は初の英語作品に!」より断然ヤバくないっすか?残酷な時の流れをザクッと切り取り、その断面を生々しく見せつけるような彼女の作品は、見方によるとほとんどコメディで、アルモドバルとの相性もピッタリに思える。当然オムニバスになると思うんだけど、表題作『掃除婦のための手...