映画「プレシャス」

シネマライズで観たよ!(以降、基本的にネタバレ無し)

超ファットな中学生が、父親の性的虐待、母親の家庭内暴力に苦しめられながら、周囲の人達の助けを借りて自立していく物語。事前の情報通り、『ダンサーインザダーク』のような陰惨な状況なのに、どこか明るさがあるのは、プレシャス自身の妄想力〜現実逃避力と、周囲の人達のおかげ。ラス・フォン・トリアーなら絶対一番信じてる人に裏切られて、号泣するシーンをカメラカット無しで延々映し出し、役者にも嫌われてしまうような、そんな展開にするんでしょうが。でも、なんかただ単に甘さを加味したというものではなく、人生を肯定的に捉える視点がきちんと描かれている、という事なのでしょう。そういう意味で実に誠実な作り。

映像や編集、演出が荒削りで、時折何が起こっているのか分からなくなるシーンが多々あったりして、実はスマートな作りとは言えない本作ですが、そこをカバーして余りあるのは俳優陣。主役のガボレイ・シディベや、先生役のポーラ・パットン(美しすぎる)、スッピンで登場したマライヤ・キャリーらの演技はどれも素晴らしかったのですが、もうぶっちぎりで存在感を見せつけたのは母親役のモニーク!アカデミー助演女優賞なんて、もう当然の結果としか言えない、本当に圧倒的な演技でした。彼女が出てくるだけで、本当に絶望的にいやーな空気が漂って来る。まぬけも邪悪も一手に引き受けた、このコメディエンヌの凄まじい演技を観られただけでも、俺は一見の価値あったなあ。

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原作本。未読ですが。

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