『15ミニッツ・ウォー』を観てから寝る。ジブチで発生したスクールバスを狙ったバスジャック事件。人質となった子ども達の犠牲なしに解決する任務に就いた特殊部隊と、自らを犠牲にしてバスに乗り込んだ女教師の、実話をベースにした物語。当然「手に汗を握る」展開を期待するのだが、そうは問屋がおろさない。手に汗を握れない。握りたいのに、握らせてもらえない。テロリストたちの頭に照準を当てたまま、アフリカの太陽の下でまんじりともせずに待機していると、政府の連中がモタモタしているうちに状況はどんどん悪化していく。
という、悲しい「上が無能」ものでした。
このスタイル貫くと、もう少し何かありそうな幸のとり。ルックスがめちゃくちゃ良い。
すげえ乗ってたし、観客ものめり込んでいたのに、尻すぼみなオチだった華山。ただ、技術で掴んでいく強さがあるので、このぐらいは余裕なんだろう。今まであんま好きなスタイルじゃなかった黒帯が、めちゃくちゃ良い。ポストハライチ的な羅列スタイルを捨てたのが、俺的には正解だった。結構、今年伸びそうな雰囲気ないですか?
第3おかかうどんって、あの教師+塾講師のガーベラガーデンに、謎の県庁職員が加わったトリオ。この、謎の県庁職員がとんでもなくお笑い筋力強くてびっくりした。そもそも、相変わらずネタが強いのが凄すぎる。ytvで初めて観た時、ツッコミの能力の高さに驚かされたボニーボニー。脂っこいモグライダー芝さんみたいな感じ。ボケもそこそこ強いのに、ツッコミで確実に上乗せしてくるの、強いなーって感じ。
ピ夜の後、空気が完全に変わってしまって、後続二組が貰い事故。特にナナは微妙にネタも被っていたので、狙ったところが全然ハマらずかわいそう。でも、左の人は言うほど 不細工ではない。ピ夜はすごいね。文法が全く違う。
アルミカンはボディビルの後、言ってることがルックに追いつかなくなってしまった。それぐらい突拍子もない姿形。不細工とか言いたいのではない。あんまり動いているのをみたことがない形。それに比べて言ってることは普通。去年の敗者復活が爆発的に良かった20世紀は、あんなにしょうもない展開を、全力の「なにがやねん」で落とす力が凄い。普通にやってあんな上手くいかない。その後出てきたゆうらん飛行も普通に良くて感心した。不自然にスピードが遅い気もした。テンポは悪く無いのに。
ブロック的に「フースーヤに向けての何か」という感じの流れなんですが、去年から良かったツッコミの角度がおかしい茜250ccも、オフビートなだけかと思ったら構成が見事な涼風も、全然負けてなかった。フースーヤはさすがにそろそろ一回決勝で見せて欲しい。そこまで行ったら、スベっても自己責任なんで…。
むすこの運動会を観て、妻は実家に帰った。平日は仕事もあって結構疲れていたけど、土日にずっと休ませて、クドカンのドラマ2シーズン観たら元気が出たみたいで、いつもののんきな妻に戻って良かった。髙石あかりが主演に抜擢された朝ドラが成功するのを祈っている、という話を熱心にしたので、家に戻って電車までの時間、『ベイビーわるきゅーれ エブリデイ!』の風林火山編を視聴してもらって、可能な時間でちさまひの魅力について伝えることに成功したと思う。
妻の見たがっていた映画版『ミステリと言う勿れ』、思っていた以上に良かった。演出20点、脚本(原作)80点の、50点作品…というのはちょっと辛すぎるか。
序盤で、ヒロインの女の子のテンションが明らかにおかしかったり、説明台詞が多かったりする妙な部分が、きちんと腹落ちする説明がなされていて、その辺にフジテレビ制作とは思えないような丁寧さが見られた。ドラマ版では欠けていた部分だったと思う。いつも犯人を見逃すポンコツ探偵こと俺、なんだが、今回は奇跡的に隅から隅まで正解を言い当てることが出来た。
今日も、昼夜と蒸し料理。夜にカマンベールチーズをドーンと真ん中に置いて、チーズフォンデュっぽく振る舞ったのが最高に良かった。
『ベイビーわるきゅーれ エブリデイ!』最新話を観たら、初めて観た妻がまんまとハマって、一話目から見返していた。次の回がヤバそうっすね。
昼に妻と二人で吉祥寺に行き、行きつけのジュンク堂でノーベル賞受賞記念に、ハン・ガンの作品を二冊買う。元々『菜食主義者』が大好きで、機会があったら他の作品も、と思っていたので、その「機会」がやってきた。街裏ぴんく『虚史平成』はまさかの売り切れ。次の機会に。
明らかにググラビリティが低すぎるコンビ名「ぺ」(もう、カタカナなのかひらがななのかもわからない)。たらちねって、高学歴ネタの人っすよね?ただただ嫌味な感じがするだけで苦手だったんすけど、こういうネタなら楽しめると思いました。
全く知らなかったけど、おてふきパンプキンが割とよかった。ネタ次第では飛躍もあるのかもしれんと思う。
歌上手い人と、普通のツッコミの組み合わせ。きんぴか。が途中から爆発していた。ツッコミが上手いタイプの漫才。キャタピラーズ好きだったのでしゅんすけ頑張って欲しかったんだけど、最初っから負け戦気味のネタだったので残念。
いつも通りたくろうは最高に面 白い。いつも通りなのであんまり言うことない組ってたくさんいるけど、俺はすごく好きだ。この掛け合いの技は、他とは一線を画していると思うが、それもずーっとそうだ。三遊間は次の大阪漫才の主役の一組という認識のまま。すごく低温だったヤングタウン。
もっとネタ面白くあって欲しいぎょうぶ。漫才に求められてるカタルシスを感じられなかったタイムキーパー。あれは、右の人が極端に面白い、という変なバランス。通常は左の人もちゃんと面白いのを、『深夜のハチミツ』過去回で確認済み。「お前、今日も太ってるね」は、昨日観たタチマチの「首とかは辞めた?」には及ばず。
さて、空前メテオ。落ちたので何かあったのかと訝っていたのですが、いつも通り最高に面白いパティシエのネタ(ytv漫才新人賞の時もこれでしたっけ)。技術的に何か難があるのかもしれないんだけど、専門家ではないのであんまわからず、ネタはこの人たちにしか作れないものなので、何の問題もないと思います。「何で合ってくんねん?」。素晴らしいです 。
蒸し料理の魅力に目覚めてしまって、一日中そのことを考えていた。ひとまず、蒸し鶏からトライ。信じられないぐらい簡単だし、タイマーかけて隣で放置しておけばいいので、仕事中にも仕込めるし、挙句めちゃくちゃ美味いしヘルシー。言うことがない。明日は、漬けておいた鶏をもう一回蒸して、夜は蒸しチーズフォンデュやる。俺は止められない、止まらない。
ケリー・ライカート『ナイト・スリーパーズ ダム爆破計画』を観る。A24ではないライカート作品。ダムを爆破する、なんていう大それたことを行うのに、ずーっと計画が杜撰で、気がついたらこの三人の「エコテロリスト」の杜撰さ、引いてはある種の幼稚さ、みたいなものがこの映画の主題となっていた。その幼稚さ、杜撰さが後に、取り返しのつかない事態を招くことになるも、げんなりするような曇り空と同じように陰鬱なまま、現実はゆっくりといつも通り過ぎていき、状況は少しずつ悪くなっていく。
相変わらずの事故邦題。原題の「Night Moves」は「夜遊び」的な意味で、三人がダム爆破のために使うモーターボートに付けられていた名前。資本主義に反旗を翻すべく立ち上がったテロ計画だが、資金面ではリッチな父親に代表される富裕層の力を借りなくてはならなかったり、皮肉が一周して本末転倒気味。崇高な目的の下に集まった三人のはずなのに、一貫して高揚感はなく、いつも小さな疑心暗鬼を抱えながら、心が通い合うような様子も描かれない。結局は、序盤の社会啓発系ドキュメンタリー作家の言う「大きくて派手な計画よりも、小さな身の回りのことから」という提言が、重く重くのしかかってくるそんな顛末だった。
パー ティーパーティーが、俺の好きじゃないスタイルのまま、面白くなってることに感動した。すごいね。単純に力をつけた、ということだろう。絶対に難しいももの闘い方。丸亀じゃんごは、なんで途中で巧妙にスーツのボタンを外したのだろうか。
愛凛冴っていうコンビ、初めて観たんですが、割と新鮮な衝撃を受けた。今のところ一番の掘り出しもの。ジェネリックミルクボーイ内海と処理するのはちょっと失礼なぐらい、独特のツッコミ。ボケも強いのに、ちゃんと動けるし、ツッコミのワードも悪くなくて、完成度の高さにきちんと客席も湧いてた。終わった時、もっと観たくて、ちょっと寂しく感じました。
どうしてもツッコミの強さが目立ってしまうタチマチだが、俺はこのしっとりとしていて上品なボケが結構好きだ。完成度もめちゃ高い。「首とかは辞めた?」というボケの角度が良い。去年も良かった黄昏の森、今年は割と浅めのギャップボケ一本で押していたのが、少し残念。
去年もモンスーンと盆と正月、一緒に出てなかった?どちらも強力なハゲを有するコンビだけど、全然違うテイストでどっちも好きだ。「もう育てる余地がない」という比喩で「Lv80のマルマイン」が出てくるのが素晴らしいモンスーン。ZUMAワシントンが出れてよかった。
スーズも準優勝もはるかぜとともにもよかったのになー。
ここ2〜3年の大阪の漫才はとても変な感じで進化している、という認識を持っている。メタに走ったり、発想を逆転させるなど、トリッキーな作りを採用しながらも、自然に見せる上手さがあるコンビが多い。この3回戦動画はその一部が顕著に出ていると思う。チェリー大作戦はその流れの先駆けにいたようなコンビだと思うし、衣装を変えてからの翠星チークダンスも、二人にしか出来ない漫才をしていて見応えがある。まあ、そういうの抜きにして、マイスイートメモリーズは良い。顔が良い。そういうのが、革新的な才能と 渡り合えるのがお笑いの良いところだと思う。
今日はあまり時間がなかったので短編2本観て、フォールアウト4やって、寝ることにする。
みんなごめん。ここ数年のうなぎ欲を一気に満たしてしまった。
『ヒッチャー』
とにもかくにもルドガー・ハウアーが死ぬほど怖い。こいつは何がしたいんだ。ずっと気持ち悪い。殺したいのかと思ったら殺さない、脅かしたいのかと思ったら脅かさない、と思ったら突然殺しにくる。行動論理が全くわからない。素性も結局明らかにならんのだ。あの伝説の『グレートウォーリアー』(一体なんだったんだあの映画は)直後で、またしてもジェニファー・ジェイソン・リーと共演だったんだな、というか、あのウェイトレスが彼女だとは一瞬気づかない。ナイフを顔にあてがわれて脅される序盤の傑出した恐怖シーンや、給油所大爆発、車に縛り付けられた女…など、忘れられないシーンが多い傑作スリラー。
『いぬ』
「帽子」という単語は、裏社会で使うと密告者、つまり警察のいぬ、という意味になる
こんな解説から、夜の街を行く帽子の男が映し出される序盤の雰囲気からクラクラ する。暗い街を征くムショ帰りのしょぼくれたモーリス(セルジュ・レジアニ)がかぶる帽子に始まり、床に転がる帽子のカットで幕を閉じる本作。キューブリック『現金に体を張れ』といった傑作の向こうを張るような裏切りと勘違いに満ちた脚本も素晴らしいが、なんと言ってもカメラ。白黒を効果的に使い、メリハリの効いた構図も素晴らしいし、叩きつけるような雨の中を進む車を外から中から映す場面も内面の焦りを映し出すような緊張感がある(土砂降りでフロントガラスから前が見えなくなる演出は、ヴィルヌーヴが『プリズナーズ』で引用してましたね)。『モラン神父』があんまりハマれなかったメルヴィルだが、これは大傑作。
『ランジュ氏の犯罪』
ノワールというよりはもう少しほんわかとした雰囲気の漂う佳作だが、これもカメラが素晴らしい。出版社の社長にして小悪党の女たらし・バタラの部屋で、こいつの毒牙にかかる女のクローズアップに合わせて、大音量になる劇伴。なんというか、歌舞いてるなあ、という印象。このどうしようもない無能な社長の事故死をきっかけに、共同経営体制 を採ることで経営を持ち直し、自身の作品も売れて夢が叶うランジュ氏が、何故犯罪を犯してしまったのか。中盤まで続く、なんとなく丸く収まっていく人情譚が、なんとも台無しになる夜の虚しさが暗闇にこだましているような作品。
ルネ・クレマン全然合わないのかも。
久しぶりに妻が帰ってきたので、嬉々として不在中に一番評判の良かったカジキマグロのソテーを作る。大変美味く出来た。
吉祥寺を一人で歩くのはちょっと寂しい。しかしながらいくつか用事があったので、忙しく歩き回る。その前に、少しだけカフェでコードを書く。そのまま、靴を買ったり、ジュンク堂覗いたりしてから、むすこと合流。サイゼリヤでエスカルゴの楽しみ方を伝授してから、二人分のフォーマルスーツを仕立てる。電車で自宅周辺まで帰ったら、歩いて投票へ。もうやることは終わった。
明日、妻が二週間ぶりに帰ってくるので、少し念入りに部屋や台所を掃除する。普段からやってるので、そこまで大掛かりなことにはならない。
夕食を食べながら、フィリップ・ラショー『バッドマン 史上最低のスーパーヒーロー』を観る。むすこが、完全に映画にハマり始めて、この期間に良い映画に出会って欲しいので 、なるべくたくさん見せるようにしているのだが、それにしても今日は大当たり。こちらが下げに下げたハードルの更に下を行くフィリップ・ラショー!!めちゃくちゃ素晴らしかった!!マーベルやDCのヒーロー映画が好きな人にオススメ、というだけではなく、90分弱の上映時間の中に隙間なく詰め込まれたギャグ、張り巡らせた伏線という伏線を要らないところまで回収していく構築力も考慮すると、全コメディファンにオススメしたい(まあ、最低限の元ネタ知識は必要だけど)。パロディ元を、全力でバカにし切っているが、あまりに全力過ぎて結論「この人たち、ヒーロー映画めちゃ好きそうだな」という感想が残ってしまうという奇跡。ラストまで余すことなく楽しい。フィリップ・ラショーの映画が面白くなかったことはないが、それにしたってこの完成度は想定外。また観たい。
余談:絶対観ておいて欲しい元ネタは、『ダークナイト』マカヴォイファスビンダー以降の『Xメン』どれか、『ローガン』『エンドゲーム』です。意 外と少ないけど、『エンドゲーム』を最大限に楽しむためには、それまでのMCU全作観ておく必要があるから…(略)