監督失格

庵野秀明プロデュース作品という事で、「平野勝之/DEATH AND REBIRTH」みたいな作りの作品。前半は、林由美香との自転車不倫旅行を収めた「由美香」の素材で構成。林由美香と平野監督の関係性を丁寧に追い、そのまま本当に衝撃的な死の瞬間、その後に監督の抱える深い深い喪失感が描き出されている。

「由美香」でも垣間見れる平野監督の良い意味でも悪い意味でもチルディッシュな部分が、このボタンの掛け違いのような悲しい体験を生み出したが、しかしその中には「創造力」に対する非常に大切な教訓が隠されている気がする。人は経験に寄り添う事で、理解出来ない物事を整理していく、そんな常識的な所業をすっ飛ばした結果としての激しい情動が映画の中で爆発する。例えば「葬式」という儀式を通じて、本来癒されなければいけなかった感情に、長いこと気付けずにいる切なさが、痛切な慟哭の中に隠されているのだ。

「林由美香」と「映画」と「自転車」、そして「死と再生」に関する物語。映画としては実にシンプルだが、煽り文句に偽り無い「えぐられるような、凄まじい映像体験」だった。映画館という特殊な没入空間で観るのが一番良いと思うが、家で一人きりで観るのも良いと思うので、気になる方はDVD発売後でも遅くないので是非。

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※前日に見た「由美香」も面白かったけど、特殊AVに耐性ある人にしかおすすめ出来ません。その辺り、「監督失格」ではきちんと排除してありましたよ。

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