映画「もらとりあむタマ子」を観てからずっと俺は前田敦子(観た人用)

ネタバレしますのでご注意を。

東京の大学を卒業したものの、就職せず、父の善次(康すおん)がひとりで暮らす甲府の実家へ戻ってきたタマ子(前田敦子)。しかし、善次が営むスポーツ用品店・甲府スポーツをろくに手伝うこともなく、開店時間になってもぐうぐう眠り続けている。ようやく起き出して、残り物のロールキャベツをがっつくタマ子。プリンを食べてマンガを読んで、ハッと目を覚ませばもう夕飯の時間。テレビを見ながら「ダメだな、日本は」と吐き捨てるタマ子に、善次は「食って寝てマンガ読んで。ダメなのは日本じゃなくてお前だ!」と手厳しい。タマ子は勢いで「その時が来たら動く!」と言い返す。「いつなんだよ?」「少なくとも……今ではない!」

78分。ちょうど仕事前に長さが良かったので行ってみました。観てる最中、うんうん。終盤、おーうんうん。終わって、いいねー。それからですよ。思い出すんですよ、タマ子のこと。お父さんのこと。中学生、アクセサリーショップの先生、仲良くない地元の友達のこと。「どうしてるかな今」って。

気がついたら大切な映画に。一日かけて思い出したあれこれを例の魔法の表現手法「箇条書き」にしました。

・中学生に向かって「透明感」要求
・星野源、はじめて届いた!あの徒歩感あふれるBPMにして異常にグルーヴィーなベースラインよ!
・実家セット?半端ない。実家感を出したセット史上最高に実家だろう。ちょっとせまい。扉があればいいとこに扉ない。ちょっと汚いのに、歴史を経てるから結構機能性ある感じ。
・恋と部活に忙しいんだよね。以上に、おどされてるの?が好き
・バッテ入りました?って来店する高校生は桐島のキャプテンかー。
・地元の仲良くない友達がタマ子のこと思い出して「あー甲府スポーツじゃん」って実家の店名で呼ぶところのリアルさって他の映画で観たことない
・写真館前で中学生脅してから自転車で立ち去る時の猫背具合&左右確認の目つきの悪さはあっちゃんの独自アイデア???ならすげーよ。
・爆笑ポイントでもあろう「アイドル志望動機」の本人読み上げは、別のものも同時に伝わる。
・めっちゃ温野菜食う。
・お父さんの再婚相手になるかもしれない富田靖子さんが、うっかり「一般人」として目に入ってきた時の美人度数といったら!
・どんなダメな時でもタマ子は「いただきます」と必ず手を合わす。それがお父さんとタマ子をつないでいる(我々部外者には見えづらい)太い絆だと思った。あれがなかったらお父さんは違う態度をとっているし、信じきれないと思う。二人には歴史がある。ずっと大丈夫だったという歴史が。
・あっちゃんのブスいショットがこれまでになく炸裂。可愛いショットも炸裂。だからアイドル目指すって言ったとき俺らはお父さんとおんなじ反応をしてしまう。「いや、俺はタマ子の可愛さ知ってるよ。可愛いと思うよ。でも、そのさ、アイドルっていうのはさ。。。」
・お父さん、完璧。実在するとしか思えない。
・あっちゃんの「実家にまだ置いてあったから帰省した時の部屋着に使ってる」感。正直ヤバい。可愛い。画像参照。
・お父さんの兄嫁がみかん持ってきた時の笑顔。この人には心開いてるんだという。心開いてる人にはこんな表情するんだーという。
・実家の人は「ねるとん」という言葉を持っている。「カズ」と「ファミコン」と同じ棚にある。
・あっちゃん可愛いシリーズ。中学生カップルのデート初目撃時の笑顔観て恋しない人いるの?
・サイタマノラッパー1,2との共通項。不本意な地元、完全に嫌われてるわけでもない実家、、実家が店、駅使い、帰郷と上京&説明されない事情。結構意図的なんじゃないかなー。
・アクセサリー教室のくだりはぜーんぶ良い。教室を覗き込むあっちゃんの不格好な姿はもはや昆虫。過剰に声質が対外用の「あ、なるほどなるほど。えーすごーい」が身内用の実家声とまるで違う。でも、そこに不快感はなく、むしろ憎めない。悪い子じゃない。予想以上に距離を詰められて、出る本音。先生の優しい言葉によって、予想もしないところから突きつけられる事実。
・橋本愛っぽいっちゃぽい不本意なボブを実家の部屋鏡で見てする舌打ちは誰でも心当たりがあるはず。
・東京でヨロシクやってるっぽい別に仲良くもない友達が地元から帰る駅ホームで独りで泣いている。その涙について映画内にはまったく説明がない。帰りたくないのか、地元でいやなことがあったのか。分からない。そこで、甲子園を観てる時の父親の言葉がオーバーラップした。

ラストのおまけ映像について。あれさー、あの笑顔ってさー、まさに「男の人が女の人を好きになる瞬間(あー今思い返すとこの人に恋したのってあれがきっかけかもなーっていう瞬間)」なんじゃない?だーれにでも見せてるわけじゃない表情を見せてくれた瞬間。許可してくれた瞬間。こんな表情するんだというでっかい発見。その特別感。だから俺があれからあっちゃんのこと好きになったの全然自然なことだし。全然本気だし。入場料金払って見せてもらった経緯なんて関係ないし。

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