きみの鳥はうたえる

ここに描かれているのは日常でしかないんだけど、日常を正しく日常として切り取ろうとしたときに、必ず求められる繊細さに真摯に向き合った結果としての美しさが宿っていた。だからこれを「青春」と呼び直すことに躊躇いはない。三宅唱監督作。


主演の三人はいずれ劣らぬ凄さだったのだが、特に石橋静河が見せた余白のある表情にはハッとさせられた。ラストだけではなく、刹那に数種類の表情がくるくると顔面を遊び、複雑にうごめく感情を表現する。

佐知子の気持ちが少しずつ離れていく、そんな時間の積み重ねは、言葉ではなく空気を用いて表出される。そのやり口にセンシティブなものを感じたのだ。

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