ホドロフスキーのDUNE

俺の好きな映画のジャンルに「ものづくり映画」というものがあってだな…。パッと思いつくもので言えば、例えば、『スクール・オブ・ロック』『今を生きる』『桐島、部活やめるってよ』『スーパー8』…。どうだ?見事にバラッバラでしょ?ここで言う「ものづくり映画」というのは、ロックバンドをやる、夜に集まって詩を読む、映画を作る…といった、「ものづくりの楽しさを(断片的にでも)伝える映画」というわけ。そういう意味で、このカルト映画の雄=アレハンドロ・ホドロフスキーの未完成の映画を追ったドキュメンタリー『ホドロフスキーのDUNE』は、完璧に「ものづくり映画」だ。現にこれを観ながら、夜の街に「俺の魂の戦士たち」を探しに行きたくなって仕方なかったよ!!

全くもって不勉強だったのだが『DUNE』ってホド先生監督で撮る予定があったんだってね!?とか言っちゃうぐらいの不勉強にて、強面のSFファンからは拉致られるぐらいの不遜っぷりでしたが、しかし私は『ホーリーマウンテン』『エル・トポ』が大好物でだね。正直、頓挫した映画のドキュメンタリーって、そんなに気乗りするものではないのだが、観に行ってきたらこれが前述の「ものづくり映画」として、まあ、完璧な出来でした。

美術にあのメビウス(その後、ホド先生はメビウスとタッグを組んで『アンカル』などの傑作バンドデシネを完成させる)、クリス・フォス、そしてH.G.ギーガー!そして特殊効果にダン・オバノンという豪華布陣を「魂の戦士」として招聘し(この招聘にあたっての行動力も凄すぎ)。練りに練ったストーリーボードを完成させ、サルバドール・ダリ、ミック・ジャガー、オーソン・ウェルズらに出演を依頼。いざ、制作…!と二年間かけた段階で、映画会社から予算が下りずに破綻する…という物語であるが、観れば観るほど、ホド先生のホド先生らしいどんぶり勘定っぷりや、ダリとかオーソン・ウェルズ諦めれば、案外行けたんじゃね?という、もどかしい思いにとらわれてしまいますが、ホド先生作品に妥協などは許されないのだ!

映画会社の決断への本気の怒り(冷静に見れば、正しい判断だったとは思うけどね…)、人生が狂ってしまったと落胆する息子の物語など、思いがけず哀しい気持ちにも打たれる物語ではある。とはいえ、H.G.ギーガー+ダン・オバノンが『エイリアン』を結実させた件とか、本当に鳥肌。このDUNEが実現してたら、「カルト監督」ホドロフスキーの評価も、まるっきり違うものになっていたんだろうな、と。ドキュメンタリとしての作りも端正かつ愛情を感じるものでした。

ニコラス・ウィンディング・レフン監督の愛すべきバカっぷりや、細かい見どころ、ホド先生萌えシーンも山ほど。中でも、企画が奪われ、デヴィッド・リンチ監督作として上映された『DUNE』を観に行った時のホド先生のエピソードでは場内爆笑に包まれた。無謀なドン・キホーテにロマンを感じて発奮できる人には絶対オススメです。

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