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Michael Jackson「This Is It」

Michael Jacksonのロンドン公演リハーサル映像を中心に構成された「This Is It」を観てきたよ!

いきなり個人的な話から入りますが、追悼と称して故人を祭り上げるゲームがあまり好きではない(それでも参加しちゃうときがあるから自己嫌悪)ので、故人に思い入れが薄い際には黙する事にしているんですが(今年は相次いだので、その思いを強く再確認させられた)、やっぱり80年代のMTVディザスターをモロにくらっている人間にとって、MJはどうしても避けられない存在でして。
特に僕なんかは、90年代のグランジから始まるオルタナシーンの洗礼により、以前聴いていたMJを筆頭とするMTV以降のポップミュージックを一度全て否定している経験もあるので、この世代にはこの世代なりの、80'sポップイコンに対する特別な思いがあるわけです。

ただ、YouTube時代が到来したおかげで、家でも会社でもいつでもMJのダンスを確認しながら、己の醜い身体をリズムに乗せて情けなく動かす無様な遊びに興じていた僕(そういう人、沢山いると思う。MJは、MTVでビッグになり、YouTubeで再生したんだと思ってます)にとっては、MJのダンスの、歌の素晴らしさは最早揺るぎないものとなっていただけに、ロンドン公演を前にした突然の訃報は、個人史にとっても大きな事件として受け止めざるを得ない、深い悲しみを経験したのでした。

だから、怠惰を理由に「This Is It」を、今、劇場で観ないという選択を採る事は、できないよね。

満員のバルト9で観た「This Is It」。多くの人が口角泡飛ばすのと同様、僕もバックステージを追った極上のエンターティメントムービーとして心の底から堪能したし、落涙も禁じ得なかった。それは、この映画の主人公がもう亡くなっている事とは、実は直接的にはあまり関係がない。驚異的に無垢な天才が多くの「仲間 or 信者 or 同僚」に助けられて、ただの人間として僕らと同じように自分の土俵で戦い、その闘いの結果としてあの完璧なステージを構築している様子を生々しく観れたから、その凄さに震えたのだろうと思います。

「怒ってないよ。L・O・V・E、愛だ」「4年以内に、環境破壊を食い止めよう!…おつかれさま!」「余計な声を出したくないんだ」と名言の数々。流麗な口ベースで演奏の指示をしたり、テンポの微妙な感覚を流れるような身体の動きで自然に掴んでいったり、鼻歌のように口ずさむ歌が信じられない程美しかったり。彼が、僕らと同じ条件のはずなのに、僕らには敵わないようなやり方で完璧なものを作り上げているその横で、同じ人間が、素で素朴な人間味溢れる天才性を露にしているその瞬間を、実に不幸なハプニングの結果ながら、享受している喜び。そして多くのファンが感じるであろうその喜びこそが、時にMJを苦しめたりしていたのだろうと思うと、スターシステムの複雑な因果に思いを馳せざるを得ません。

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