『僕たちのゲーム史』

2012-10-07 01:01


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不覚にもちょっと感動した。

元ムーノーローカルのさやわかさんによる、「ボタンを押すと画面が反応する」遊びとしてのゲーム史を紐解く、星海社新書からの一冊。あまりの面白さに、速攻読み切った。

テーマの設定、子供に語りかけるような語り口、テーマからは外れないそれでいて広い守備範囲、そしてゲーム史を「現代の視点で語る」のではなく、適切な史料を元に「当時の視点で語り直す」というメソッド。丁寧な考察の積み重ねで、僕らが「知っていた」ゲームの世界の「見落としていた」側面が、ミステリー小説を読み解くような興奮を味わうことができます。(「コミュニケーション」というキーワードで、ポケモンとアレを結びつけた時、俺は少なからず感動した)その辺り、目次を読めば少しだけ理解出来るかも。

はじめに なぜ「ゲームの歴史」が必要なのか
第1章 スーパーマリオはアクションゲームではない
第2章 僕たちは誰を操作しているのか
第3章 物語をシミュレートする
第4章 体感と対戦
第5章 CD‐ROMの光と影
第6章 終わりの/と始まり
第7章 楽しみはゲームの外にある
第8章 あたらしい一人称
第9章 「別世界」から「現在」へ
おわりに ゲームの未来

この本では、ゲームの歴史における何をも否定/批判していないのも、評論の在り方として凄く共感できる姿勢でした。これは暗に、現在のゲハ〜ゲーム機論争のような不毛な言論空間に対する牽制なんじゃないかな。ただ唯一「既存の価値観に囚われる姿勢」が陥る結果を、歴史を参照することで示しているのが、自省も込みでハッとさせられます。

個人的には、相変わらずゲームはプレイしているものの、最近のゲーム業界の傾向にかつて感じたような興奮を感じられずにいた僕のような人間が、改めて「これからも面白いゲームがプレイ出来るのかも!」と感じられるような、そして今すぐゲームをプレイしたくなるような、本当にやさしい評論でした。月並みになりますが、ゲーム好きなら必読じゃあないだろうか。次は、俺の持論であります「ドラクエはアクションゲーム」を基点にもう一冊書いて欲しいです!!

Book僕たちのゲーム史 (星海社新書)講談社


    Writer
    mcatm
    Date
    2012-10-07 01:01:09
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