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封印された映像作品『怪奇大作戦』第24話「狂鬼人間」

特撮ファンの間では「ウルトラセブン第12話?遊星より愛をこめて」「ノストラダムスの大予言」に並ぶ定番幻ネタらしいんですが、安藤健二『封印作品の謎』(2も読みたいな)ではじめて存在を知りました。

当時「怪獣ブーム」が一段落をみせ「怪奇ブーム」が訪れていたこと、また円谷プロダクションが『ウルトラマン』、『ウルトラセブン』に続いて作成していた『マイティジャック』の視聴率が低迷していたこともあり、怪獣との戦闘シーンなどの派手な特撮ではなく、特撮でなければ表現できない映像をみせる事を目標として制作された。

特定のジャンルの、特定のマニアの間では知られる、特定のいわくつきの作品って、もうそれだけでワクワクしますよね。しますよね。

で、よくある差別用語糾弾ものかなーとたかをくくっていたら、なんか、作品自体すんごく今日性のある内容で、これがウルトラセブンの後番組として日曜のゴールデンに放送されていたなんて。

あらすじは以下のとおり。

第24話『狂鬼人間』は、「殺人事件の犯人が精神異常者と判断され、釈放されるという事件が続発。SRIの捜査でそれら殺人犯は、"狂わせ屋"が開発した脳波変調機によって一時的な心神喪失状態にされたものだったと判明した」という内容である。

1968年(昭和43年)当時の刑法第39条第1項「心神喪失者ノ行為ハ之ヲ罰セス」(現行の刑法では「心神喪失者の行為は、罰しない。」)、つまり「心神喪失者は殺人を犯しても罰せられない」(現実には不起訴となるか、起訴されても無罪判決が出ることがあるが、劇中では「不起訴」か「無罪」のどちらになったか、明確な描写がない)ことを逆手にとった"狂わせ屋"こと美川冴子(演:姫ゆり子)とSRIとのやりとりが描かれる。

その冴子は「夫と子を精神異常者に殺害されたが、犯人は無罪となった」という過去を持ち、脳波変調機は夫の開発したものであった(彼女はそれを改造して今回の犯罪に利用していた)。

お茶の間には重たい。

ラストは

自分の「脳波変調機」の最大目盛り使用の急激なショックにより永遠の狂人となってしまった冴子が精神病院の檻の中へ収監され、虚ろな眼で檻の外を見ながら悲しく唄っている。「かぁ〜らぁあすぅ〜♪なぜなくのぉ〜♪からすはやぁまあにぃ〜♪」…のあと唐突に狂った冴子が「ギャア〜!!!!!」。それがED曲冒頭の「ギャア〜!」と、ほぼ同時に重なり、スタッフ&キャスト表示…。

だそうで、前述のルポではリアルタイムでこのシーンを見ていた当時小学生だった人が「夕飯を食べていた箸が止まった。。ものすごいトラウマ!」と語っていました。

youtubeとかであるんだろうね。怖くて見てないけど。

http://www.geocities.co.jp/Hollywood-Miyuki/2049/kyouki.html

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