映画「おおかみこどもの雨と雪」のグッときたワンシーンについて(ネタバレ)

おおかみこども、キリがないから気に入ったシーンひとつだけ。

ある日雪が降って、雪と雨がおおよろこびで辺り一面の雪にずさっと飛び込む。花も大人だけどためらいなく飛び込む。そして、二人を両脇に抱える。

その後、子どもたちは転げるように走る。おおかみになって走る。ふだんは隠してるおおかみの姿になって、全力のおおかみのスピードで走る。嘘つかなくてもいいから、とっても気持ちが良い。

花もついていく。子どもたちが脱ぎ捨てた衣服を拾いながら、どうしたっておおかみこどもたちには遅れながら、しかし、同じ気持ちになって走る。母親だから子たちの服は拾ってしまうけど。そう、親は子育てを通してもう一度子ども時代を過ごせるのだ。三人はどんどん加速していく。坂は急になる。どんどん加速する。

加速がピークに達したところで、最後、三人はド派手に転ぶ。どかーん。

花はおおかみではない。子どもたちと完全な体験の共有なんてできない。でも、共有できた気になれる。それでいいのだ。

大空の下、雪にまみれた雪の顔がアップで映る。雪は楽しくって突き抜けてわおーんと吠える。それに続いて雨の顔がアップ。雨も気持ち良くわおーんと吠える。

ここで俺はどうなるんだろうと固唾を飲んだ。花は果たして幸せそうに母親らしい笑い声をきかせるのか、それともふたりのように吠えるのか。吠えたとしても雪と雨のそれと全く違うわおーんになるのか。ごくり。

そして、花の表情のアップ。

花はなーんにも考えず気持ちよさそうに、わおーんと吠えた。そのわおーんは、おおかみこどものわおーんと全く変わらない響きで。

俺はここで号泣してしまいました。

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