日本を代表する映画監督の一人で、独特の映画美学を持つ。ジャンルを超えた作品で知られ、特にミステリーやサスペンス、ノワール系の映画に強みを持つ。オフビートな演出と不気味さを巧みに操り、観る者に強烈な印象を残す作品を生み出してきた。映画の常識にとらわれない自由な発想と、独特の映像言語が特徴的な映画作家である。
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その場その場で書き留めないと、ポロポロと記憶から抜け落ちていく。
黒沢清『蜘蛛の瞳』を観る。「復讐を終えた」哀川翔が主演とのことで、『蛇の道』の続編なのかなと思っていたら、微妙に違ってて、しかしながら名前は一緒だったりするのでやんわりとパラレルワールド的な設定なのかな。ダンカンのいかにも怪しげな会社に入社してからは、物語も、それを描く手つきも、信じられないほどオフビートになっていくので、正直退屈に感じる瞬間もある。だが、「あなたのためならなんでもするわ」と言った女が突然裸で寝ていたり、台所で妻が毛布をかぶってガタガタと震えだしたり、見過ごせないショットが何度も挿入されるので一筋縄ではいかない。車に乗った大杉漣が、哀川翔と会話しながら逃げたり、バックで追ってきたりする謎のシーンが最高だったな。劇中何度か発生するコメディ演出が、余計不気味さを引き立たせるという。手触りとしてはブニュエルっぽいのかな、とも思ったし、おなじみゴダールの描くノワールっぽさもあった。それにしても、ラストのカットは本気で意味がわからない。何度か現れる「亡霊」のカリカチュアなのかと思ったが、それにしても天晴な飛躍。

若かりし頃の阿部サダヲが出ていて、この頃はしっかり眼が黒いガラス玉みたいな風情だった。『死刑に至る病』とか、意外と原点回帰なのかもしれんね。