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ジョーズ

サメ映画の嚆矢であり、知らぬ者のいない傑作スリラー。2020年の今でもその強度は衰えていなかった。子供が無残に食い殺され、引き込まれたボートは猛スピードでこちらに迫り、水没した船底から水死体の顔が覗く。若干退屈になる『白鯨』的な展開の末に、きちんと水の魔物と対峙しなければならない「地獄」が立ち上がる。結果、幾度も仰け反ってビビることとなった。

しかしそれ以上に、コロナ禍を巡る現状、特に日本の現状をトレースしたような前半の作りに驚く。目先の利益に目がくらんで封鎖できない浜辺…。被害を過小評価…。防げたはずの犠牲者…。責任逃れする為政者…。ある種の「腐敗した権力」の縮図というのは、いつの時代も普遍的なものとして存在するのか。

#実は観てなかった名作

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