芸術、映画、文化において独特な感性で知られる国。斬新で型破りな表現が特徴的で、常識にとらわれない創造性を持つ。映画界では、既存の概念を覆すような作品が生まれやすく、世界に衝撃を与える作品を多数輩出している。カンタン・デュピュー監督のような、型破りな映画監督が活躍し、独自の世界観を展開している。
※ AIによる解説文(β)です。当サイトの内容を参照して、独自の解説文を構築していますが、内容に誤りのある場合があります。ご留意ください
ジャック・ロジエ『オルエットの方へ』

ヴァカンス映画って、結局ヴァカンスの終わりを描きたいんだな…。痛感した。少なくとも、俺は見たい。別荘にやってきた女子3人のヴァカンスは、やれ風呂がねえと言っちゃケラケラ笑い 、腹が減ったと笑い、ボールが転がったつってゲラゲラ笑って時間が過ぎていく。寂れた避暑地に「オルエットの方へ」と看板を見れば、「カジノもある!」と笑い転げる。しまいには、「オルエット!」って巻き舌発音で爆笑している。
正直、かなり終盤まで、本当になあんにも起こらない。会社勤めのジョエルの上司ジルベールが偶然を装ってやってきても、ウナギぶちまけたりするだけで、何にも起こらん。今日は釣り、明日は乗馬、次の日はヨット。と、遊んでいるだけの3人に、しかし黄昏は唐突に訪れる。
そんな終わりの鐘の音が聞こえるような晩餐シーン。海で会ったパトリックと遊びに出てしまったカリーヌに置いて行かれた二人を、ジルベールがとっておきの料理でもてなそうとする夜、歯車が少しずつずれていた人間関係の崩壊が決定的になってしまう。この時点で、多分2時間超えてる(時計見てないけど)のだが、これまでの退屈が爆発する。起こっていることは些細なのに、ポイント・オブ・ノー・リターンをとっくに超えてしまったことは明白だし、そのことに皆が(深層では)気づいてしまった。かくして、ヴァカンスは終わりを告げ、その終わり方は日常にまで影を落とす。かくも容易に、何もかもが終わりを告げるのだ、という力なき目線。俺には、彼女たちの友情すら終わってしまったように感じたが、それも全部夏のせいの勘違いかも。

退屈退屈とは言ったが、主演の三人がとにかくキュートなのと、映像が美麗なので、実は全然見れてしまう。見惚れてぼんやりと過ごしていると、いつの間にか夏の終わりの夕闇が迫っていて、寒さとなんとなくの寂しさに震えてしまう。そうして振り返ってみれば、馬に乗るシーンや、ヨットを押して浜辺を駆けるシーンなど、ちょっとだけ過剰な躍動感を感じる部分もあったり、「夜遊びに行こう」と誘われたのに、場面は次の日の朝になっていたりと、退屈の中にもこちらの感情を振りまわすような確かな不穏さはあったのでした。
カンタン・デュピュー『地下室のヘンな穴』
「あらすじ:入ると12時間進んで3日若返る穴がありました」って言われた時点で、「なるほど、これは「入ると12時間進んで3日若返る穴」大喜利映画だな。これがNo.1ヒットってやっぱヘンな国だな、フランス」と思って観るじゃないですか。そうするとちょっと違うんすよね、なんというか、全体のネジが完全に緩んでるというか。それはそうと、この物語にはもう一つ、全く異なる「ヘンなこと」が発生するんですが、それもあまりに強烈で、俺なんかもう映画館の椅子の上でのけぞって吹き出したんですけど、うーーん、それは言っていいのかな。いや、あんま良くないと思うんすよ、ネタバレになるし。だけど、さっき話し合った時には、言うって言ったじゃない、いや、それは食後にコーヒーがあったら、の話で、今はワインを飲んでるから。でも、いい雰囲気になったから、もう言っちゃってもいいんじゃないの?いや、仕事と一緒で、こういうのはきっちりしなきゃならんのよ。と、ここでコーヒーが到着して、ナイスタイミング、心の準備は出来た?じゃあ、話しますよ、びっくりしないようにね。本当に、なんというか、あまりにぶっ飛んだ話だから…。いやー緊張する、上手く言えるかな、やっぱりあなたが話してくれる?いや、君のほうが上手に伝えられるよ……みたいな話を映画の序盤でグダグダグダグダやり始めたところから、これは完全におかしいですよ、様子が。体感10分。こんだけもったいぶるってことは、絶対しょうもない着地ですわ、って高をくくってたら、本当にあまりにぶっ飛んでいたんで、俺なんかもう映画館の椅子の上でのけぞって吹き出した。

フランスでNo.1ヒットですって、俺は信じてないぞ!何かトリックがあるに違いない。とにかく「入ると12時間進んで3日若返る穴」という超魅力的な設定と、もう一つのあまりにしょうもないヘンな設定を転がすだけの屁みたいなコメディのはずが、監督のあまりにヌケの良いトンチンカンさによって生み出された味わったことのないテイストで頭の中をヌチャヌチャにされる。カンタン・デュピュー監督。過去作が、テレパシーを持った殺人タイヤが主人公の『ラバー』とか、タイトル以上でも以下でもないあらすじの『マンディブル 2人の男と巨大なハエ』とか、友達にすると楽しそうだが、ビジネスパートナーになると厄介そうな印象。
冒頭で思わせぶりに挿入される病院でのカウンセリングシーンが全く機能していないことぐらいではもう驚かない。楽しい設定大喜利しているはずが、話があちらこちらに飛んだ挙げ句、「お時間に限りがありますので」的に中盤の一番 盛り上がる、ここが監督の手腕の見せ所ですぞ!な展開が、なんとすべてダイジェスト!!そら74分に収まるわ。その間流れ続ける新解釈『Switched On Bach』の如きペリキンばりに脳天気な電子音バッハが空虚さに拍車をかけ、そのまま崖から真っ逆さまに落ちたような身も蓋もない終幕に、もはや屁も出なかった。「美の再生」をテーマにしたシニシズム、とか、冒頭で再現した空回りする関係性と引き伸ばされた時間に関するコミカルな提起、のような分析も可能かもしれない。だけど、その結果がこの脱臼したような物語なのだから、眉間にシワ寄せて観るのも無粋ってなもん。やっぱフランスってよくわかんねえな、を体感するのに最適な74分。わかると思うけど、超褒めてる。ここ最近ではぶっちぎりで間違った日本描写も堪能できます。
