2024年に話題となったコラリー・ファルジャ監督のボディホラー映画。デミ・ムーア演じる老いた女優が、若い肉体を手に入れるために謎の薬物を使用することで起こる身体的変貌を描く。 美の基準や年齢差別といった現代社会の問題を、極めて過激で視覚的なホラー表現で描き出している。ルッキズムやエイジズムを真正面から扱いながら、それらの価値観を踏み抜くような挑発的な作品として注目を集めた。 映像美においては現代的な技術を駆使したバッキバキな表現が印象的で、主演女優の身体性と異物感を通じて、美しさの呪いとも言える現象を描いている。単純な批判に留まらず、美の勝者が社会を破壊するポジティブな側面すら描いているという複雑さが、この作品の真の恐ろしさでもある。
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『VENUS/ヴィーナス』と『サブスタンス』を立て続けに観て、それぞれの感想はそれぞれあるんだけど、これを連続で観た意味、みたいなことを考えている。流石に『サブスタンス』の今日的バッキバキな映像美と比べると二段も三段も劣ってしまう『VENUS』だが、主演女優の身体性には肉薄するものがある。この主人公の異様な美しさ、とんでもねえ肉体が、呪われたビルの中に降臨するという異物感についての物語でもあって、その側面は『サブスタンス』にも確実に息づいている。それこそ「ルッキズム」と混同されたら困る(『サブスタンス』を巡るSNS上の言論とか、マジ窮屈で終わってるので)し、もっと恐ろしいのは、これは本気でやると「ルッキズム」を真顔で踏み抜く必要がある、という話なところ。「ルッキズム」なんです、これは。そんで、「ルッキズム」の勝者が、社会をぶっ壊すポジティブな側面を描いている、とすら思ってる。だから難しい。
同時に、筒井康隆『敵』を読み終わり、何故か「エイジズム」に関する言説も周りに溢れていて、『サブスタンス』と接続する。映画版とちょっと違うのは、主人公儀助の性欲が極めて強い、ということがはっきりと示されているところで、そこに妄執の源泉がある。妄執とプライド。本当に厄介な世界であることよ。