現代の環境アクティビズムと映画芸術の交差点に立つ映画監督。『HOW TO BLOW UP』では、環境テロリストの過激な抵抗を描き、社会システムへの批判的視点を鮮烈に提示する。犯罪と正義の曖昧な境界線を探求し、観客に深い思索を迫る作品世界を構築している。独自の映画的感性で、現代社会の矛盾を鋭く切り取る注目の映画作家。
※ AIによる解説文(β)です。当サイトの内容を参照して、独自の解説文を構築していますが、内容に誤りのある場合があります。ご留意ください
ダニエル・ゴールドハーバー『HOW TO BLOW UP』
環境テロリストによる石油パイプラインの爆破計画。細かく練り上げられた計画に従って行動する若者たちが、「どのようにしてパイプラインを破壊して、プロテストを 成し遂げるのか」を描いた物語。不明の男女がテキサスの田舎に放棄された建物に集まり、自己紹介もそこそこに爆弾を製作し、石油パイプラインの建設地に運び、アリバイを作りながらそれを爆破させる。計画の進行を見守りながら、彼らがこんな犯罪計画を成し遂げる背景が時折挟み込まれるが、それは単なる背景説明に留まらず、この計画の成り立ちと顛末を細かく説明してくれる。
犯罪と正義の危ういバランス。確かにこの物語は我々に「考えることを強いる」のだが、その一方で明らかにこの計画と実行の一部始終に興奮させられてる自分がいることは否定できず、そういう意味ではかなり「不謹慎」な映画。ケリー・ライカート『ナイトスリーパーズ』に酷似しているが、描きたいことがほぼ真逆だと思う。この世を支える虚構の倫理に、ささやかだが有効な一撃が加えられている。
監督はあれだ、『カムガール』(未見)のダニエル・ゴールドハーバー。ソチ(すっごい見たことないスペル)役のアリエラ・ベアラーが、脚本やプロデュースまで参加しているんですね。このコラボレーションが続くのであれば、凄まじいチームが出てきたなーという印象です。