ホリー・ジャクソンによる三部作の完結編。『自由研究には向かない殺人』で始まったピップとラヴィの物語が、予想もつかない展開で幕を閉じる。 一作目とは全く違う意味での大傑作となった本作は、読者が愛着を持ったキャラクターたちに対して大胆な仕掛けを施す。著者自身が「わたしを信じてくれてありがとう」と謝辞で述べるほど、よほどの信頼がないと読み進めるのもきついダークな展開が待ち受ける。 しかし、ホリー・ジャクソンの倫理観を信じて読み進めた先にあるラスト一ページのカタルシスは圧巻。リトル・キルトンという街の闇の深さを描き切った、堂々たる完結編として評価される作品だ。
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ホリー・ジャクソン『卒業生には向かない真実』
大傑作ミステリ ー『自由研究には向かない殺人』から始まった三部作完結編。二作目『優等生は探偵に向かない』は流石にパワーダウンしたかなと思わせるも、いやいや単体で見たらかなり手の込んだミステリーで満足度は相変わらず高かった。
ほんで本作。一気に読み終えてしまった。この呆けてしまうようないつもの読後感よ。大傑作。一作目とは全く違う意味で。
ネタバレを避けるとほとんど何も言えないのではあるが、しかしながら、こんな展開になるとは誰が予想できるのか。こういう作品は確かにさほど目新しいものではないが、ピップ&ラヴィをはじめとするリトル・キルトンの愉快なメンツに心底愛着を持った状態の我々に対してこれを仕掛けてくるのは心底大胆だと思う。すごかった。
謝辞で著者が「わたしを信じてくれてありがとう」と述べている通り、よほど信頼していないと読み進めるのもきついダークな展開。ホリー・ジャクソンはとても倫理的な作家だと思っているので、俺はそこに賭けて読み進めた。ラスト一ページのカタルシスたるや。確かに次作はほぼあり得ないと思うし、それが心底寂しいのではあるが、堂々たる完結編でした。ほんと、この街は、闇が深すぎたぜ。