南米出身の映画監督。『MONOS 猿と呼ばれし者たち』で国際的に注目を集めた。戦争や暴力、子供たちの心理を鋭く描く作品で知られ、圧倒的な自然の中で人間の本質的な暴力性や脆弱性を探求する。密林を舞台に、カルト的な少年兵組織の崩壊を描いた本作は、彼の独特な映像美と物語構造を象徴する作品として高く評価されている。
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MONOS 猿と呼ばれし者たち

人里離れた高地、幽玄な景色をバックに、激しい訓練で消耗する少年兵たち。言語や風景から南米を思わせるものの、場所も目的もはっきりしない戦争の中で、人質の管理を任されることになった 彼らは、極度の緊張を強いられている。
アブストラクトなミカ・レヴィの音楽が見事に演出する、幼い精神の落ち着かなさ。謎の敵対勢力に囲まれ、ジャングルに孤立する幼い組織は、嘘と裏切り、弱さと虚勢に弄ばれるよう。死と背中合わせになった極度な緊張は、幼い乱痴気で解消されるが、それは次の緊張の種を蒔く。引き返すことの出来ないカルト的な狂騒の中で力関係がコロコロと代わり、それに寄り添うように物語の主人公も変わっていく。
誰が何から逃げているのか。主客が揺らぎ続ける逃避行は、圧倒的な密林の中で繰り広げられる。蚊に悩まされる密林の夜、土砂崩れに押し流される表現は圧巻。『蝿の王』のように、少しずつ崩壊していく少年少女の組織。アレハンドロ・ランデス監督は、『炎628』の地獄変をアップデートしてみせたと思う。
