フランスの映画監督で、『ボヴァリー夫人とパン屋』などの作品で知られる。この映画は「大人のファンタジー」と銘打った官能映画で、ジェマ・アータートン主演。フローベールの『ボヴァリー夫人』をモチーフにした物語で、パン屋を継いだ元出版社勤務の男性が隣に引っ越してきた女性に妄想を抱く展開。中学生のような素朴なエロティシズムと、現代フランス映画特有の色彩感覚が特徴的。文学的な教養を踏まえた作風で、観る側の知識によって楽しみ方が変わる監督と言える。
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お気づきの方は少ないと思う。俺は基本的に、U-Nextのマイリストを「もうすぐ終了順」にして、終了日が決まっているものから観ていくことにしている。だからです。だから節操がないんです。ちなみに、他の配信プラットフォームにはないこの機能、すげえ重宝しています。こんなんでもないと、観るべき映画は溢れていて、どれから手をつけていいのかわからなくなる。『哀れみの3章』ですわ。「自由であるほど、不幸になっていく」…。
ということで、今日はアンヌ・フォンテーヌ『ボヴァリー夫人とパン屋』という得体の知れないゴーモン映画を観た。いや、得体は知れているはずなのだが、なんでマイリストに突っ込んだのか全くわからない。アンヌ・フォンテーヌは、一本も観たことがない。なんで?
出版社に勤めていた主人公マルタンは、父のパン屋を継ぐために地元で暮らすフランス人。隣に引っ越してきたイギリス人が、ボヴァリー一家。あまりにシチュエーションがフローベール『ボヴァリー夫人』に似ているもんだから、元出版社勤務の血が騒ぎ、妄想を繰り広げる。
「大人のファンタジー」と銘打った官能映画という触れ込みだったので、もっと慎ましやかか、ポルノ紛いのものなのかと思っていたら、まるで中学生の妄想のようなエロ描写が続く。パンをこねるジェマ(ジェマ・アータートン)のうなじ。ワンピースのざっくりとはだけた胸元。挙げ句の果てには、「スズメバチが入ったので、背中のボタン開けて、毒を吸い出して」と来た。クラクラしました。
ただ、テーマがどこにあるか分かりづらいのと、現代フランス映画的なのっぺりとカラフルな色彩感覚にもあまり魅力を感じられず、前述の中学生エロと、ジェマ・アータートンが魅力的なのと、あんまりにもあんまりで笑ってしまうオチ、以外にはそこまで飛距離の伸 びない映画ではあった。『ボヴァリー夫人』ギャグ、特に殺鼠剤に異様に反応するマルティンとか、もうちょっと面白くなりそうな要素はそこかしこにあったのだが。『ボヴァリー夫人』未読だから良くなかったのか。なんにせよ、映画を楽しむにも、もっと教養が必要なんでしょうな…。
