第二次世界大戦中、ナチス占領下で武装抵抗運動を行った非正規軍のこと。主に東欧で活動し、ゲリラ戦術で占領軍に抵抗した。映画『炎628』では、少年兵の視点からパルチザンの悲惨な現実と戦争の残酷さを描き、単純な英雄譚ではなく、戦争の複雑な感情と人間性の喪失を鋭く描写している。
※ AIによる解説文(β)です。当サイトの内容を参照して、独自の解説文を構築していますが、内容に誤りのある場合があります。ご留意ください
炎628
ずーーーーーっと「観たい映画リスト」トップに鎮座してた映画をついに観た。ナチス「アインザッツグルッペン」によるソ連における大量虐殺「ハティニ虐殺」を、パルチザンに入隊する少年の視点で語る。遊び場にしている地元の荒野で偶然銃を掘り出してパルチザンに入隊するも、冒頭、飛行機からその姿を捉えられているので、「銃を掘り出した」そのことが原因で故郷の村が襲撃される。
脳天気な「愛国主義者」である主人公たちが、「みんな入ってるから」という理由で入隊するパルチザンの描写も決して美化されない。そこには似つかわしくない(が故に、逆に何らかの被虐的な役割を想像させられるような)着飾った姿で登場する少女=ローズは、森の中で気が狂ったような仕草を見せる。ザバザバと降り注ぐ雨の中でダンスするローズが、童貞少年の見た夢なのか現実なのか、ほとんど判別つかない(このシーンだけで4時間ぐらい酒飲めそう)。
「何だこの画は…!?」と刺される瞬間が何度もあって素晴らしい。故郷の村が襲われたことをぼんやりと表現する人形には、とにかく蝿がたかっている。虐殺された人々の山は、後景に2秒程度しか映らない。その虐殺の原因が自分にあることを示唆され、少年の抜け殻のようになった姿は、アリ・アスターに与えたダイレクトな影響を感じさせる。
有名な教会焼き討ちシーンも、冒頭の撮影と呼応している記念写真のシーンも当然凄いが、クライマックスの大暴虐に向けて、無辜な人々が手際よく一箇所に閉じ込められていく様の異様。そんな煉獄を経て、主人公とローズ、若々しかった二人が、老人のように汚れて干からびてしまう様に、身体の芯から震えてしまう感覚。
必ず観るべき戦争映画の「悲惨」がそこにあることは間違いない。ただ、「悲惨な戦争映画」の表現はしっかりアップデートされている現代。『サウルの息子』『小さな独裁者』あと『高地戦』辺りも観てみると、その辺りの進化を体感できると思う。
