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『女神の見えざる手』/主張する暴走機械としてのジェシカ・チャステイン

久しぶりに一人画面の前でガッツポーズした。ジェシカ・チャステイン主演の2016年公開作。今更だが何の問題もなく、今観ても超フレッシュなポリティカルサスペンス。銃規制法案の成立に向けてキャンペーンを張るロビイストであるスローン(ジェシカ・チャステイン)が、なりふり構わず悪辣な手を使って相手を追い詰めていく。やったりやられたりのシーソーゲームになると思いきや、ほぼすべての局面でスローンに軍配が上がり続ける無敵の女性。しかし、その辣腕が仇となって、周囲を傷つけていく。

勝利への執念が凄まじすぎて、睡眠時間も食事時間も取れないし取りたくない。だから、神経刺激剤を飲み続ける。可能なら食事も錠剤で取りたいぐらい。そんな女性が、銃規制の問題にこだわり続ける。そこに、何らかの意思はあるのか、ここまでするなら絶対に何らかの意図があるに違いない、と思わせたまま、タガの外れた暴走機械のような彼女の蛮行に近い勇姿を背中から観続けることとなる。

過剰な情報量やスピード感、構成に『オッペンハイマー』を思わせるところがあったが、あまりにも見事な足払いが決まるのでスカッとする。大団円の後の、ちょっとしたディティールも嬉しい傑作でした。俺はジェシカ・チャステインの映画をもっと観ることに決めた!!

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