韓国の俳優で、アクション映画で強烈な存在感を放つ。『犯罪都市』シリーズで知名度を高め、型破りな刑事役で人気を集めている。圧倒的な肉体と迫力あるアクションが特徴で、映画の中では無骨だが正義感のある主人公として描かれることが多い。独特の存在感と演技力で、韓国映画界で注目を集めるアクター。
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一日留守番する日だったので、起きがけにむすこと『犯罪都市 THE ROUNDUP』をキメ、劉慈欣『三体』を読了し、夜はPrime Videoから消えそうというだけのきっかけで観たベトナム映画『草原に黄色い花を見つける』を観る。
マ・ドンソク『犯罪都市 THE ROUNDUP』
前作の不必要な(だと制作者が考えた)部分をずっぱりとオミットして、必要な部分の出力だけを極端にブーストさせる、というバカな小学生みたいに最高なチューニングをした結果、ただただとんでもなく強ええマ・ドンソク先輩が爆誕してて大興奮した。登場時は無敵に見える極悪非道なラスボスも、その歯車が少しずつずれ続けて、マ先輩と対峙する頃には割と追い詰められた状態、というのも前作を踏襲していて、その転落のドラマが醸し出す倫理観のバランスも適切だなーと感心する。「山」みたいなルックスのマ先輩が、なんとなく唐突に女性にモテる、みたいな展開もなく、合コンには行くも、全くモテてる気配がないのも安心。ただ、間抜けなヤクザ友達のイスは先輩のせいで必要以上に酷い目に遭ったので、マ先輩には責任持ってちゃんと面倒見て欲しいです。
劉慈欣『三体』
大ベストセラーSFをようやく、というか今更読んだんだけど、確かにすげえなこら。中国は文革時代の悲惨な出来事をきっかけに、全く先の読めないストーリーが展開していく…という「いつもの感じ」とは少し 違うと肌感が伝える。そうじゃなくて、「ああいつものあれか」と、なんとなく先は読めたり、一瞬既視感を覚える展開を持ち出してくるところには躊躇がない。この作品のすごいところは、その既視感を覚える展開において、今まで皆がなんとなくボカして雰囲気だけ伝えるところを、言葉を尽くして伝え切るという姿勢。これがめちゃ凄いです。何を言っているのか細かくは全然わからないが、何が起こっているのかはよくわかる、という語りの巧さが前提としてある。ネタバレを気にするとあまり言えることはないが、序盤から最後まで、ずーっと小規模〜大規模な驚きがあった。視界に現れるカウントダウン、人力コンピューター、太陽の使い方、やってきたメッセージとその返信、船捜索の大胆手法、陽子を使ったトンデモ技術…いくつかの忘れられない場面を経て、必然として訪れた「諦念」に抗う方法も、俺には感動的だった。三部作、ゆっくり読んでいきたいけど、その前にNetflix版のドラマを観ようかなと思ってる。
『草原に黄色い花を見つける』
全く知らない映画だったが、大 変良かった。ベトナム版『友だちのうちはどこ?』と言っても良いかもしれないけど、物語内に現れる事象が様々な構造の中で何度も反復される、という意味ではもう少し複雑でモダンな作り。雑に言っちゃうと『牯嶺街少年殺人事件』のあの地味で複雑な反復、というか。さすがに俳優の少年たちの演技に覚束なさがあったり、終盤の閉じ方が大雑把だったり(「ニーはもう大丈夫!」には腰砕けになった)といった欠点に若干興を削がれた部分もあったが、素晴らしかった。原作が良いのかもしれない。
80年代ベトナムの農村に生活する兄弟が、石投げをして遊ぶ牧歌的な風景から幕を開ける。ここで弟トゥオンを裏切って石を投げつける主人公ティエウの卑怯さは、この物語における兄弟の関係性を明確に語る。トゥオンの純真さと、主人公の卑屈さは対比になっているが、それは思春期真っ盛りの彼の年齢には誰もが通る道。心の弱さが、兄弟に暗い影を投げかける。その構造が、後に唐突に現れる「枯れた木に宿るお姫様の魂」の真相におけるある親子の構造とも重ね合わせられて、田舎の地味な一エピソードにしか見えないものに、立体的で重層的なコンテキストを準備するのである。
『犯罪都市』/最強マ・ドンソクを証明する序章
昨日のげんき映画の会で、「『犯罪都市』のマ・ドンソクが最強かもしれない(ただし、3以降で開花する)」という話を聴いたので、朝起きてすぐに視聴開始。巻き込まれて全編視聴してしまったむすこも、「確かに犯罪都市だった…」と感想を漏らしてしまうぐらい、本当に犯罪都市。そんな犯罪都市の型破りデカであるところのマブリー氏。冒頭から、刃物を持ち出したチンピラ同士の大喧嘩を、通話の片手間に処理。冒頭から凄すぎて、完璧に目が醒めてしまう。
一方でバダサイやJin Doggみたいな冷めきった目のボスを含むヴィラン三人も凄い。たった三人しかいない組織だが、頭のネジを飛ばし切ることで画面に恐怖が充満してしまう。こいつらは話とかシャレが通じないな、という空気になる。
頭のネジがイカれた三人 vs 腕の太い人類最強マブリー。これだけでシンプルな見応えがあるし、実際それを期待している人々が大満足する出来なのだが、ちょっと深みがあるのは、このヴィラン三人がマブリーとの対決ではなく、市井の人々の抵抗によって少しずつ削られていくところにある。マブリーは最強だが、その腕っぷしだけでは勝てない。「力なきものたち」の抵抗が、集まることで大きな力を発揮するという、革命の有用性をしっかりと描いている。