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元同僚と熱海旅行に行ってきた。

数年前に、社員旅行で悪夢のデスゲームを繰り広げ、死人こそ出なかったものの、心の死亡事故が多発してしまったというトラウマを抱えていた熱海の地に再び降り立つことで、あの時の思い出を上書きしようという試みは上手くいった。あの時の俺は本当にどうかしていた。悪逆の限りを繰り広げ、多くの人々を傷つけた末にデスゲームには勝利できないことが確定したところから、寿司食ったり温泉入ったりしていたはずなのにほとんど記憶がない。そんな熱海の色褪せたメモリーが、鮮やかに色づいた旅だった。

宿泊はホテルニューアカオだったのだが、これが大正解。岸壁を削る形で建設された老舗ホテル。俺は家族連れで参加したので、ゲームセンターで大喜びしているむすこのの隣は缶詰バーで、大人も同時にのんびり飲酒出来るという好環境。昭和レトロとモダン建築が良いバランスで融合していて、雰囲気は良いのに設備に不足がない。朝食バイキング、温泉、プール。必要なものが揃っていた。

夜はあの頃の社員旅行と同じように、部屋に集まって延々と喋る。「話せる」同僚がいるというのは、労働生活を彩る。当事の彩りを思い出して、嬉しい気分になった。今はあんまり会わない友だちも、むすこの話を聞いて、真剣に相談に乗ってくれていて良い光景だな、と。深酒直前ほどほどで切り上げて眠った。

MCATM

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