10日も書かないでいたら、ブライアン・ウィルソンが亡くなってしまった。
子どもの頃から、『サーフィンUSA』などの代表作を聴かされてどハマりしたのに、自然な流れとして飽きがきて、くだらないものだとみなす反抗期を経て、やっぱり好きなんだよなーと学生時代を過ごした後に『ペットサウンズ』を見出す流れ。みなさんにもあるでしょう、こういうの。出会った時から天啓のように入れ込んでしまうものではなくて、ゆっくりと染み込んでいて、いつの間にか離れ難いものとなっているもの。ブライアン・ウィルソンとビーチボーイズは、僕にとっ てそういうものでした。
特に、drawing4-5の録音活動が一番活発だった時期、自分やメンバーの家に集まり、色んな先駆を想起しながら楽器をこすって試行錯誤する時間、その理想の一つにブライアンも当然いて、自分なりの『ペットサウンズ』をアウラのように追い求めていた。それは今も相変わらずで、これからもずっと自分なりの『ペットサウンズ』を、自分なりの『Madvillainy』や、自分なりの『Cobra and Phases Group〜』、自分なりの『No, Sir』、自分なりの『Sung Tongs』、自分なりの『Live in Chicago, 1999』を求め続けるのと同じように、追い求めるのだろうし、その限りにおいて、これはカマトトぶってる訳でもなんでもなく心の底から思うのだが、ブライアンは俺の中で生き続ける。生に永続的な意味を見出すのであれば、改めて、完全なる他人の「自分なり」となるような何かを生み出す行為の中に見出すであろう。
俺は、死ぬほど、Alex Ross Perryの『Pavements』が観たいので、日本の配給会社のみなさん、どうかよろしく!
MUBIに再加入するという手もありそうだが、どうしても日本語字幕で観たいんだ。Joe Keery演じるSMが、なんでロラパルーザで信じられないぐらい呂律回ってないのか知りたいんだ(カットされたっぽいけど)。
このサントラ、ここ数年のPavement関連の音源で一番興味深い。やっぱり編集感覚優れた人がやると違う。
https://pavement.bandcamp.com/album/pavements-original-motion-picture-soundtrack
新宿で『ガール・ウィズ・ニードル』を観てから、夜に吉祥寺でコラージュ映画『ORLIK』を観るまでの数時間が空いたので、松本哉さんの『世界マヌケ反乱の手引書』を読んだ直後ということもあって、高円寺の空気を浴びに。
ずっとスカされてた小杉湯にようやく入り、Dig a Hole Zinesでジンを一冊買った(セルフレジ!ちゃんと2000円入れた!)。
映画も良くて、良い一日。
Arrrepentimientoとしてソロセットで臨んだ昨日。前回、2024年9月のライブが30点だとしたら、20点ぐらい(…)の出来だったのだが、弛まぬ努力が必要なのは永遠。楽しかったです。観に来てくれた方々、ありがとうございました。
久々に俺が一番の若輩者という環境での演奏だったんですが、如実に出たね、差が。sttさんも着実にライブ慣れして、そもそも曲がおもろいのが前面に出てきた感じ。山田民族さんは、始まってすぐに妻に「俺は将来こういう音楽だけ作っていきたい」と伝えたぐらい、憧れのシンセ使い。二人ともプレイヤーとしての懐が深くて、なんか、本当、清々しく「敵わねえな!」と思った。俺が一番、Ordinaryだった。歌詞に、「Taken me far from the ordinary」とあるのに!阿佐ヶ谷mogumoguもすごく良いスペースだったな。中国のインディー音源が大量に並べられてて、小物もキノコ中心の愉快なこだわりが伺えるもの。特別なスペースにいると、特別な気分になってくる。
つうことで次回、7月19日にリベンジします!withマコメロジー&stt。がんばるぞー!
色々段取りが上手くいかず、仕事も遊びもやり損なって、とほほってなっていた夜に、観れるからという理由でたまたま入った『デビルズ・バス』がかなり良い感じの渋いホラーで大変満足した。
なんか、これぐらいで良い気がするんだよなー、ライブ用の音源準備。前回はギッチギチに音詰めすぎて、慌ててしまった。少し余白があった方が映えると思う。ライブが終わったら、音源どこかにアップしてみますね。
リンクレイターの『ヌーヴェルバーグ』すげえ観たい。これも劇場で爆笑すると思う。
『VENUS/ヴィーナス』と『サブスタンス』を立て続けに観て、それぞれの感想はそれぞれあるんだけど、これを連続で観た意味、みたいなことを考えている。流石に『サブスタンス』の今日的バッキバキな映像美と比べると二段も三段も劣ってしまう『VENUS』だが、主演女優の身体性には肉薄するものがある。この主人公の異様な美しさ、とんでもねえ肉体が、呪われたビルの中に降臨するという異物感についての物語でもあって、その側面は『サブスタンス』にも確実に息づいている。それこそ「ルッキズム」と混同されたら困る(『サブスタンス』を巡るSNS上の言論とか、マジ窮屈で終わってるので)し、もっと恐ろしいのは、これは本気でやると「ルッキズム」を真顔で踏み抜く必要がある、という話なところ。「ルッキズム」なんです、これは。そんで、「ルッキズム」の勝者が、社会をぶっ壊すポジティブな側面を描いている、とすら思ってる。だから難しい。
同時に、筒井康隆『敵』を読み終わり、何故か「エイジズム」に関する言説も周りに溢れていて、『サブスタンス』と接続する。映画版とちょっ と違うのは、主人公儀助の性欲が極めて強い、ということがはっきりと示されているところで、そこに妄執の源泉がある。妄執とプライド。本当に厄介な世界であることよ。
「The Second 2025」観てた。一発目のツートライブが、面白い時のツートライブだったので安心して、そこからはかなりリラックス。はりけ〜んずが本当に100点の漫才していて、マシンガンズがやっぱり上手くて(実はとんでもなく上手いんだと思ってる)楽しいのに、それでも圧勝という感じだったのが本当に不勉強にして意外。とても勉強になった。
ザ・ぼんちの姿を見て、むすこが自然に「かっこいい…」って言ってたんだけど、本当にそう。70歳超えてあそこまでギラギラしているのはとんでもないバイタリティだし、「伝説」がインフレしている状況に苦言を呈している俺ですら、ツービートやB&Bとしのぎを削っていたんだな…と思うと、本当に伝説。でも、金属バットが2本ともすごかった。友保さんがM-1時代から着実に一歩ずつ進化し続けているのが信じられない。
その金属と囲碁将棋にとっては、これからもきつい戦いになりそうだけど、でも出続けてる・出続けられていることがそもそも凄すぎるからな。今年も楽しかったです。
今晩もライブに向けて練習。若くないので、一回一回が勝負という気持ちが強く、しょうもないことは出来ないというプレッシャーがある。8曲あることを確認したが、出番は40分なのでどのように組み立てるかを考えている。そうこうしているうちに、何故か新曲が二曲もできる。
詰まるところ、こうやって何とか前に動かそうという気持ちが、次のインスピレーションを呼び覚ますのだろう。フランキー・ヴァリを観て、やはりこういう雰囲気の曲を作りたいと考えている。
有田咲花 - 鯨
去年に引き続いて、有田咲花さんの新譜が聴けると言うのはすげえことだと思う。さらに引き続いて、何の情報もない。我々好事家は、たまに流れてくるインスタライブとかで現状を確認することしかできない(あまり頻繁にはみれていないが、俺が観た時は画面がガタガタと揺れているだけだった)。アシッドフォーク味が強かった前作『貉』と比較して、今回はGREENROMANCEとの接続点というか、ラガ風R&B的なトラックも多く、どれもとても良い。とにかくコーラスワークがあまりに絶妙で唸ってしまう。たまにライブ演ってるみたいなのでいつか見に行きたい。