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いやー、仕事の山越えた。休日前に越えられて良かった…。土日はこのことで頭いっぱいだったので、ようやく心置きなく休める…。


Netflixで、松田龍平主演『鵜頭川村事件』観終わった。なかなかの傑作。最近作では哀しい出来の作品が多かった入江悠監督、個人的には久々のヒットでした。というか「自警団描写が上手い」という謎の属性(『ビジランテ』は傑作だった)。持ち味であり弱点でもある不要なケレン味は一部で目立ったんだけど、基本的には抑制の効いた演出で安心して観れた。ミステリーとして、このぐらいやってくれれば大満足だよな、というラインはきちんと越えているし、ミステリー88%、フォークホラー10%、オカルト2%みたいな配分も丁度良い塩梅。ケレン味演出と松田龍平の相性は悪いな…と感じつつ、役者もみな大変良い仕事。特に、吉岡睦雄さんが素晴らしかった。余談ですが、山田杏奈は出てるとラッキーって思います。


最近、Twitterに費やす時間が少なくなっているので、新しい映画情報が入ってこなくなるのではないかと心配している。ただ、一日数度眺めているだけでも、きちんと必要な情報は取得できているので今のところ問題なさそうではあるが。そんな中、いつも参考にしてる映画アカのツイートから、『スプライス』をチョイス。非常に良くできた作品で、それもそのはず、俺達のヴィンチェンゾ・ナタリ監督作品。

エイドリアン・ブロディとサラ・ポーリー演じる科学者夫妻が、遺伝子操作で人間のクローンとなる新種の生物を創り出す。そこからは当然「禁断の新種あるある」が続くんだけど、さすがヴィンチェンゾ・ナタリ、大喜利が非常に上手い。まるで人間とは思えぬ異形が産まれたと思いきや、わかりやすく危険だったり、愛らしかったりするのでもない、ただの異形のまま様々の波紋が広がっていく。キャリアや研究を優先させ、子どもを作ることに距離を感じていた夫妻にとって、この異形は子どもの代替ともなるであろうし、商売道具や、あるいは友だちになるかもしれないし、引き続き、ただの研究対象とも言える。毒針を持ち、両生類的な肺を持つこの生物を、禁忌のものとして忌み嫌うのか、研究者のフラットな目線を浴びせるのか、それとも愛するのか。その意味論的な揺らぎが随所に現れ、夫婦の絆や研究者としての矜持が常に試されてしまう。

最初は毛のないヌメヌメとした醜悪な見た目の化け物だったのが、急速な成長を繰り返す中で徐々に人間に近づいてはいくのだが、目の位置や身体のパーツが拭いきれない嫌悪をもたらすルックスで感心。そんな彼女を巡る状況も目まぐるしく変わる中、科学者夫婦のバックグラウンドもちらりと語られ、事態の異様さと緊迫感は最後まで途切れることのない、傑出した作品でした。

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