ケン・リュウ『宇宙の春』
テッド・チャンと並んで、中華系のSFの旗手としてすっかり定着したケン・リュウ。新作短編集(と言っても、過去作で邦訳から漏れていたもの中心だけど)も、相変わらずのキレだった。テッド・チャンより執筆量も旺盛だし、今度『円弧(アーク)』も映画化されるとのことで、ますます読まれると良いなー。
本短編集では、異星人の惑星を探索する父娘を描いた『メッセージ』(テッド・チャンの有名な同名作もあって、大変紛らわしい)が、異文化の謎と、父子の交流が縦軸横軸でしっかりと混じり合った構成で、驚きに満ちており、特に印象に残った。
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