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街裏ぴんく

もう伝わって欲しいところにはすべて伝わってるんじゃないかという安心感があるけど、書いておく。街裏ぴんく。いちばんおもしろい。まだ伝わっていないが、ちょっと頑張れば伝えることが出来る人たちにまで伝えるにはまだまだ言葉が足りない。なんと説明すればいいんだろう。

体験談の体で、ずーっと嘘をつき続けるスタイルの漫談。単独ライブも何回か行ってるんだけど、冒頭の自己紹介からずーっと嘘(芸名すらまともに言わない末期状態)。「虚実の狭間」というにはあまりに「虚」の比重が高い上に、ポイントで挟み込まれる「実」のリアリティ(地名のチョイスとか)も絶妙で気絶しそうになる。YouTubeでネタの配信を始めた頃の、全体的に少しだけ現実から浮遊していて、ボタンをかけちがい続けているような状態のネタも素晴らしいが、最近のネタに見られるような、唐突に次元を超越したり、謎の亜空間が存在したりする展開はほぼSFで、星新一が突然ふざけ出したような趣があってまた良い。

どうです?今、目の前に「ふざけ倒している星新一を止める人が存在しない」という状況があったら、見物しに行きたくならない?Aマッソ加納さんが言う通り、ツッコミが不在な分、ずっとふざけ倒していられるという恐ろしさに、心胆寒からしめる。現に、今YouTubeでやってる配信企画でも、次々寄せられるコメントに対して延々嘘で返答し続けていて、ほぼフリースタイルバトルのような殺伐とした緊張感に満ちており、初回配信では恐ろしいことに「これ、本当の話なんですけど…」と前置きしてから、「ようつべ屋という専門店で買ってきたYouTube配信セットで配信してる」と言い出した。もう後戻り出来ない。「嘘を突き倒す」という不毛な闘いに身を投じる人間の覚悟を感じた。

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