屍人荘の殺人

「浜辺美波が漫画のように可愛いので、それだけで見る価値があるかな」と全く期待せずに視聴(当然、頭空っぽの面構え)。舞台装置の安さ(よく出来てはいるが、色遣いがゲーセンっぽい)、演出のチグハグさ(さっきのムードはどこへ…?)、音楽の使い方(コミカルなところでコミカルな音楽)とか、所謂「大衆向け邦画」特有のダメさはありつつ、エンターティメントとして鑑賞困難になるほどの大きな不満はない。多分、脚本が良かったんだと思う。ゾンビ映画とミステリーの掛け合わせは珍しく、双方有機的に絡んでいる(ミステリー要素のあるゾンビ映画は観たことあるが、ここまで豪胆にやったのは記憶にない)。「ゾンビは人を殺すが頭は働かない」「人は頭が働くがゾンビをどうにかしないと動けない」という複数条件が機能している閉鎖環境での連続殺人事件。例えばエレベーターを使ったトリックだったら、冒頭の全く関係ない移動シーンでそれを暗示したりと、トリックの提示も丁寧。そうしたさりげない説明場面や、コミカルな要素を過剰に注ぎ込みつつ、上映時間も2時間ちょいと適切(ザック・スナイダーなら4時間超えてた)。大衆向けエンタメとして上々の出来。佐久間由衣、山田杏奈、矢本悠馬、柄本時生、といった信頼できる役者たちが、コメディ演出をバカにしない姿勢を崩さなかったところが、完成度に反映されていると思う。特に、どんな場面でも絶妙なバランス感覚を発揮していた神木隆之介には改めて感心。空腹の浜辺美波に「お腹、グギャーって音してたよ」と指摘する場面のような、ちょっと間違うと信じられないぐらいスベるコメディ回しも、まるで本当の大学生のような実在感を以て対応していて、あれはすごかった。中村倫也の使い方はあれでよかったのか(=ファンは怒らなかったのか)は気になったけど。あと、浜辺美波は化け物のように可愛かったです。

    MCATM

    Arrrepentimiento / drawing4-5 / pelepopの主犯。

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