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「つかみはOK!」の歓声が聞こえてくるようなバッチリのつかみ。おなじみのCG臭さを漂わせたスカイダイビング版『駅馬車』は予告編でも観れるが、グリーンバックでの撮影風景が目に浮かぶのにこれだけ手に汗握るのだから、もう無理しなくていいって伝えて欲しい、トム・クルーズに。くれぐれも。

ノーティドッグによるPlaystationの人気シリーズの映画化である本作は、謎解きと豪快なアクションの連続で終始景気の良い冒険活劇。本作を観ると「なに。こんなゲーム、アリなの?」と信じられない気持ちでいっぱいになりプレイ欲がそそられるというシナジーがちゃんと機能している。最後のドタバタなんか、よくよく考えたら『ワイルド・スピード』ですらここまでやってねえ、『ゴッド・オブ・ウォー』的なケレン味すら溢れてて超げんき。

ソフィア・アリとタティ・ガブリエルという、ほぼ無名の女性二人(…敵かな?味方かな?)も含めて主演の四人が全員最高で、「俺達の甥」ことトム・ホランドがむしろ「ミス・キャストかな?」と思わせる水と油感(こそ泥の役は似合わないって…)で序盤苦労するも、後半はとにかくアクションのキレとコミカル演技ですっかり魅了。カクテルのシーンがあまりに流麗で、諸々ひっくるめると二代目トム・クルーズの襲名を狙っているはず(もしくは二代目ジャッキー・チェン)。収穫だったのがマーク・ウォールバーグで、出演作は好きなのに一度も良いと思ったことのない彼が、実に憎めない相方を好演しているのが発見だった。

次回作作る気満々なポストクレジットまで観て、俺はもう、完全にこの映画のファンだ。新フランチャイズ誕生に祝福を!

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