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Enter the Groovy World of French Psychedelic Soundtracks

ヌーベルヴァーグの伝記ものや、ベルトルッチ『ドリーマーズ』などの作品で馴染み深い60年代後半の「5月革命」。政治と芸術がこの上なく接近したこの時代のフランスで流行した、サイケデリックなサントラについてのBandcampの記事。フランスを覆っていた文化的な軽薄さは、こうした変革の時期を経て政治色の濃い文化に置き換わっていったんすね。

https://daily.bandcamp.com/lists/french-psychedelic-soundtracks-list

こうした変化に影響された『Visa de Censure nº X』のピエール・クレメンティやフィリップ・ガレルといった独立系の映画監督が重要な作品を生み出す一方、リアルタイムで大きな影響力を持ったのはそうした抽象的で難解な芸術映画ではなく、犯罪映画やホラー、ポルノなどの大衆映画であった。サイケデリックと一言で言っても多種多様で、抽象的な電子音楽から、いかがわしいガレージっぽいロックンロールなど多種多様で、とにかく「なんか、やばいな」の巣窟。日本では「モンド」の文脈でいくつか紹介されていた記憶がある。

Robert Cohen-Solal『Les Shadoks』

1968年から73年にかけてテレビで放送されていた『Les Shadoks』のサウンドトラック。手掛けたのはGRMにも参加していたRobert Cohen-Solal。二次元宇宙に住む鳥に似た生物が、地球に向かうロケットを開発する話らしく、本編も哲学的かつ抽象的な話が続く。これ、どんな状況で流れるんだ…??というような抽象度の高い音楽。Brutal Sound Effectsが編纂してたアニメのSE集めたコンピレーションとか思い出した。「フレンチ」のキーワードで連想しないタイプの音楽だよね…。

https://en.wikipedia.org/wiki/Les_Shadoks
https://wrwtfww.com/album/les-shadoks-50th-a...

Jean Pierre Mirouze『Le Mariage Collectif』

Jazz-Funkの文脈で有名な「Ulla et Georgie」などを含むJean Pierre Mirouzeによるサウンドトラック。「Sexopolis」とかはほぼStereolabっすね。アシッド・フォーク調の「Karin on the ryke」とか、こういうファンキーなアルバムの中に紛れ込んできた一片の花弁のような佳曲も趣深くていいです。

https://shop.bornbadrecords.net/album/ost-le-mariage-collectif

Pierre Raph『Jeunes Filles Impudiques』

フランスにおける吸血鬼映画のパイオニアとして有名らしいジャン・ローラン(Jean Rollin)っていうヤバい映像作家がいて、まずはその人に大変興味が湧くよね。ソフトコアポルノの巨匠としても知られるらしい。映像も大変良いが、ジャッロの文脈含め、知る限りでは日本では十分に紹介されてきたとは言えないと思う。

その人と組んで何作かスコアを書いたのがPierre Raph。この「Gilda & Gunshots」って曲がまたとんでもなくて、背景に流れ続ける鞭打ち音、猛り狂うドラム。いかがわしいにも程がある!

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